主題歌のオルゴールバージョン

 これ、いいなぁ。
 寝る前に聞くと、いい夢が見られそうだ。








[ 2015/04/30 22:50 ] 映画情報 | TB(-) | CM(0)

全生園の柊の垣根

 映画の中で、千太郎とワカナがバスに乗って、徳江さんのいる療養所に向かうシーンがある。
 2人が降りたのは、「全生園南」というバス停。

全生園南のバス停

中への道はトンネルのよう

 見てわかるように、木々がまるで塀のように囲っていて、中へ進む道がまるでトンネルのようになっている。初めて来る人は、少し怖さを感じることだろう。

柊の垣根が続いている

 一番道路沿いの垣根は、柊(ひいらぎ)だ。この柊の垣根は全生園の周りをグルリと囲っている。
 なぜ、柊の垣根なのか?
 小説「あん」の中で千太郎とワカナはこんな会話をしている。


「どこまで行っても垣根だな」
「これ、柊っていうんですよね。尖っている葉っぱ」
「クリスマスにつきものだ」
「これ、患者が脱走しないようにって、いっぱい張り巡らせたんだって」
「昔の話だろう?」
「でも、こうやって残ってるもの」



 柊の垣根は、国の間違った隔離政策の象徴であるとともに、もうハンセン病が完治して大丈夫だというのに、何となく避けてしまう偏見の象徴でもあった。
 でも、柊に罪はない。

 2010年11月3日、全生園の中央集会所で開催された「第18回秋の緑の祭典」で、東村山市内の八坂小学校の子どもたちが「ぼくはヒイラギ~百一年目の思い~」という詩をつくって発表した。
 とてもいい詩なので、ここに掲載させていただく。


「ぼくはヒイラギ~百一年目の思い~」

ぼくはヒイラギ
全生園のヒイラギ
全生園の周りを囲んだ
オリのようなヒイラギ
にげるものにはかみついて
ひっかききずをつくってやった
ぼくはきらわれもの

丘の上から遠くを見ている人がいる
何が見える? 泣いているのか?
外を見せないように
もっともっと高くなろう
丘よりももっと高くなろう
ぼくはきらわれもの

でも
でも
本当は ぼくだってみんなから
愛されたい
本当は ぼくだってみんなに
喜んでもらいたい
ぼくはなみだなんかじゃなく
みんなのえがおがみたいんだ
それが ぼくら緑の役割
地球に生きる緑の役割なんだ

全生園は去年 開園百周年
やっとぼくの願いが かなった
全生園の緑は
全部 全部
人権の森の仲間なんだ
ぼくも人権の森の一員に
やっとなれたんだ

今年は百一年目
不自由な手で植えられた
一本一本の木と
ぼくもやっと仲間になれた
家族と思って植えられた木
自分の子どもと思って植えられた木
みんなのしあわせを願って植えられた木
百一年たった今 みんな仲間になった
これで ぼくも みんなのえがおが見られる

ぼくはヒイラギ
全生園のヒイラギ
人権の森の ヒイラギ



 ハンセン病への偏見がなくなり、柊の垣根が人権の森の象徴となるようにしていきたい。小説「あん」、そして映画「あん」にはその力があると私は信じている。





[ 2015/04/30 20:54 ] 「あん」の風景 | TB(-) | CM(1)

「お葉見」日和です

 つい先日、2日前のこと。
 今後、「全生園」の説明をするために写真が必要だなと思った私は、ちょうど天気が良かったので「全生園」に行ってみた。
 入り口や、映画に出てくるバス停、入所者が故郷を思って登ったという築山「望郷の丘」、納骨堂、「国立ハンセン病資料館」などの写真に撮っていたのだが、ある場所でふと立ち止まってしまった。

八重桜の花びらが道路をピンクに染めている

 八重桜の花が落ちて、道がピンク色に染まっている。
 何だかこの道路の先に徳江さんが立っていそうな気がして立ち止まってしまったんだよね。
 そんなことはあるハズないんだけど、なぜかデジカメを構えてパチリ。
 すると、「せっかく来たんだから、お葉見をしていけば」という声が聞こえたような気がした。それもそうだなと思い、私は大きな桜の木の下に行って、見上げてみた。

まるで手を振っているようだ

陽の光でキラキラと輝いている

 キラキラ輝く若葉を見て、徳江さんは何を思ったのだろうか?
 入所していた皆さんは何を思ったのだろうか?

 今日もいい「お葉見」日和。桜に限らず、近くの木々を見上げて、若葉を見ると楽しいですよ。





[ 2015/04/30 08:56 ] 宣伝部長のつぶやき | TB(-) | CM(0)

「全生園」は何と読む?

 小説「あん」に出てくるハンセン病療養施設「天生園」。ここがなぜ東村山市にある「全生園」だと言い切れるかというと、小説の中に「国立ハンセン病資料館」という言葉が出てくるからだ。
 この「国立ハンセン病資料館」は全国に1つしかない。だから「国立ハンセン病資料館」のそばにある療養施設は「全生園」と特定できるのだ。

多磨全生園

「全生園」は正確には「国立療養所多磨全生園」という。

 1909(明治42)年に当時の東村山村に「第一区府県立全生病院」としてつくられ、1941(昭和16)年に府県立から国立となり、名称も現在の「多磨全生園」となる。
 ところで、この「全生園」、皆さんは何と読みますか?
 読み方としては、

ぜんせいえん

ぜんしょうえん


の2通りある。さて、どちらでしょうか?
 これ、地元である東村山市に住む人でもよく間違えるんですよね。
前身の「全生病院」が「ぜんせいびょういん」と読んだせいもあり、「ぜんせいえん」と読む人が多いのだが、正しくは「ぜんしょうえん」。
 その証拠に、「全生園」の入り口前の信号に付いている地名表示板には「Zenshoen」とローマ字で読み方が表記されている。

表示板には「Zenshoen」と書いてある

 ぜひ「ぜんしょうえん」という読み方とともに、ハンセン病療養施設「全生園」を覚えて欲しい。







[ 2015/04/30 08:51 ] 「あん」の風景 | TB(-) | CM(0)

春の緑の祭典

 4月29日。今は「昭和の日」だけど、以前は「みどりの日」だった。その「みどりの日」だったころに東村山市でスタートしたのが「春の緑の祭典」で、今年も都立東村山中央公園で開催された。

挨拶をする渡部尚市長

 記念式典では、つい先日の市長選挙で3選を果たした渡部尚市長が挨拶に立った。映画「あん」の話をしてくれればいいけどなぁと思いつつ聞いていると、選挙の話もそこそこにたっぷりと映画「あん」の話をしてくれてビックリ。

全生園入所者自治会の佐川修会長も挨拶してくれた

 続いて全生園の入所者自治会会長を務める佐川修さんが挨拶。
 佐川さんは全生園に残る約3万本の木を「人権の森」として残すことに情熱を注がれている人だ。

なぜ、ハンセン病は治ったのに全生園に入所している人がいるのか?
なぜ、全生園に約3万本の木があるのか?
なぜ、「人権の森」として残そうとしているのか?


 映画「あん」を理解するためにも必要なことだと思うので、映画や小説のシーンを紹介しながら、少しずつ説明していこうと思う。





[ 2015/04/29 17:47 ] 宣伝部長のつぶやき | TB(-) | CM(0)

お葉見の頃合

キラキラと揺れる葉

 予告編の37秒あたりに木の枝の葉が揺れるシーンがあり、その後に徳江さんがそれを眺めて喜んでいるシーンがある。

お葉見をする徳江さん

 映画でも出てくるこのシーン、映画だけだと理解しにくいかもしれない。
 小説「あん」に、こんなシーンがある。


「すっかり花が散っちゃったね」
「本当ですね」
 千太郎もいっしょに桜を見上げた。
「お葉見の頃合ね」
「お葉見?」
「葉っぱが一番きれいな時よ。ほら、あのへん」
 千太郎は徳江が指さす方を見た。梢にそって、ふくらんだ若葉がそよいでいる。
「みんな、手を振ってる」
 言われてみれば、そんなふうに見えなくもないと千太郎は思った。重なり合って揺れている葉が、子供たちの手の連なりのようだ。



 予告編のこのシーンの葉は桜の葉であり、徳江さんは「お葉見」をしていたんですよね。
 ちょうど今は、桜が散って若葉が出てきて、もっと大きくなろうとしている時期。徳江さんの言う「お葉見の頃合」かもしれない。
 今日は天気もいいことだし、ブラリと散歩して、桜の木を見かけたら「お葉見」をしてみてはどうだろうか? おすすめスポットはもちろん、「どら春」のセットがあった久米川駅南口の桜通りにある桜並木だ。






[ 2015/04/29 09:39 ] 「あん」の風景 | TB(-) | CM(0)

主題歌のショートバージョン公開

 ついに、映画「あん」の主題歌、秦基博さんが歌う「水彩の月」がショートバージョンですが、公開されました。
 映画を観ているからなのかもしれませんが、もう、のっけから鳥肌が立ち、歌詞が体に染み込んできて涙がにじんできました。
 後半、「どら春」や千太郎、徳江さんが出て来た時には、もう涙決壊。こんなに曲で泣かされるとは思いませんでした。

 いい曲です。ぜひ聞いてください。







[ 2015/04/29 07:12 ] 映画情報 | TB(-) | CM(0)

ドリアン助川さんの試写会感想

 「あん」の原作者であるドリアン助川さんが、自身のfacebookに完成披露試写会のことを書いています
「小説と映画は違いますから」とクールに話す原作者が多い中、原作者自身が涙してしまう映画「あん」。
 もちろん、その涙には映画の感動だけでなく、小説を出版するまでの苦労も含まれている。でも原作者が、ここまで思い入れを語る映画はないんじゃないだろうか。
 何の予備知識もなく映画を観たいという人もいるだろうし、そういう楽しみ方もありだと思う。
 しかし、私は小説「あん」を読んでから映画「あん」を観ることを勧めます。その方が、思いの染み込み方、魂の揺さぶられ度が大きいと思います。






[ 2015/04/28 18:07 ] 完成披露試写会 | TB(-) | CM(0)

外国の人が「あん」を観ると…

 映画「あん」の公式ホームページでは、「あん」のカンヌ国際映画祭出品について、河瀬直美監督、樹木希林さん、永瀬正敏さん、原作者のドリアン助川さん、主題歌「水彩の月」を歌う秦基博さん、そしてカンヌ国際映画祭の名誉会長を務めるジル・ジャコブさんのコメントを載せている。
 どのコメントも興味深いのだが、特にジル・ジャコブさんのコメントが、「外国の人がこの映画を観ると、こう感じるのか」と新鮮だったので、こちらでも紹介させていただく。


 大変素晴らしい作品でした。河瀨作品は全て好きですが、本作は、非常に心に触れる謙虚さがあり、また物語の語りとしてはパーフェクトの高みへと洗練されていました。日常の営みの細部に触れ、3世代を扱い描いていることに好感を持ちました。指に障害を抱えた年配の女性・徳江(樹木希林)をスクリーン上にこのように存在させられたことを誇りに思うべきです。彼女のラストのシーンは特に感動的でした。千太郎(永瀬正敏)、ワカナ(内田伽羅)の2人も非常に良かったです。この歳になってまで、甘露煮のお豆の作り方に興味が湧くなど思いもしませんでした。それは、多くの人が知らないある田舎町の特有の風習や習慣が、映画を通して魅了する、そういうもののひとつでした。この作品に集った才能、河瀨監督のそれは特に素晴らしく、世界に伝わるユニバーサルな作品であり、ほぼ完璧な作品を創られていると思います。

「甘露煮のお豆の作り方」って一体何のことだろう?と思ったけど、あん作りのことなんですね。私たちには当たり前の食べ物なんだけど、外国の人には馴染みのない食べ物。それがタイトルにもなっているこの映画、考えてみたら海外ではウケにくい気がしないてもない。
 しかしジル・ジャコブさんは、「世界に伝わるユニバーサルな作品であり、ほぼ完璧な作品」という感想を述べている。
 あんという食べ物を知らない外国の人の心を揺さぶった「あん」。日本人の心に響かないわけがないじゃないですか。ぜひ、観に行って欲しいですね。


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映画「あん」 5月30日(土)から公開
《上映劇場リスト》
※新所沢レッツシネパークでも公開
《前売券も好評発売中》
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[ 2015/04/27 23:57 ] 宣伝部長のつぶやき | TB(-) | CM(0)

元気づけてくれた映画チラシ

久米寿司

 久米川駅北口の市役所通りに、今は閉店してしまっているけど「久米寿司」というお寿司屋さんがある。その前を通ると、シャッターに映画「あん」のチラシが貼ってあった。1枚1枚、雨が降っても大丈夫なようにビニール袋に入れて。

シャッターに貼られたチラシ

 これを見て、私は何だかたまらない気持ちになった。
 東村山市内の本屋ですら小説「あん」を地元が舞台だと知らずにポスターやチラシを貼ってないのに、こうやって大切にして貼ってくれるなんて、もう感激ものですよ。

 
 「久米寿司」は庶民的な寿司屋さんだったのだけど、大将が病気してからは女将さんが1人で頑張っていた。と言っても、寿司を握るワケにはいかないから、ランチで釜めしを出していたんだよね。それはすごく美味しかった。
 このブログ記事を読んでもらえばわかると思うけど、釜めしなのになぜかご飯が付くんですよ。理由が女将さんらしい優しさなんですよ。
 そうやって頑張っていたんだけど、お店を閉店することになった。


 そして時は流れ、今年になって久米川駅南口の定食屋「みっちゃんち」で釜めしを食べた時、記事には書かなかったけど、実は私、「あれ?」と思ったんですよね。

「この釜めしの器、『久米寿司』で使ってたものじゃないかなぁ?」

 後日、店主のみっちゃんに聞いたら、みっちゃんは厨房に声をかけた。そして厨房から出て来たのは、ナント、「久米寿司」の女将さんだった!
 やっぱり、「久米寿司」で使っていた釜めしの器だったんだね。こうやってお店がなくなっても器が引き継がれるってうれしいことだ。これって映画「あん」にもつながることだと思う。
 徳江さんのやり残したことを千太郎が引き継ぐわけだからね。
 そして「みっちゃんち」のメンバーだから、閉店した「久米寿司」のシャッターに「あん」のチラシを貼ってくれたワケだ。誰に頼まれたワケでもないのに。
 釜めしセットにご飯を付けてくれる女将さんの優しさがそのまま出ているではないか。
 あまりに地元での映画「あん」の認知度が低いから、落ち込んでいた私だけど、何だか元気が出て来たよ。
 ありがとう、女将さん。






[ 2015/04/26 23:30 ] 宣伝部長のつぶやき | TB(-) | CM(0)