試写会体験記 その4

 午後7時、河瀬直美監督、樹木希林さん、永瀬正敏さん、内田伽羅さん、ドリアン助川さんの5人が登場して舞台挨拶が始まった。
 試写会から一夜明けた4月7日の各スポーツ紙はほとんど樹木さんと孫の内田さんの共演のことを記事にしていたが、ほかの人もいろんな興味深いエピソードや、この映画への思いを口にしていた。
 中でも私の印象に残っているのは、河瀬監督が披露してくれた永瀬さんの言葉だ。完成して最初の試写会の時、永瀬さんは河瀬監督にこう言ったのだという。

「この映画には演技ではなく、魂を残しました」

 古川さんから永瀬さんに関する役者魂あふれるエピソードを聞いていたから、この言葉にはシビレたなぁ。
 挨拶が終わり、マスコミ用の撮影も終わり、いよいよ上映。

 永瀬さんの言葉の意味、よくわかりました。
 私も「魂に響いた」。大げさでなく、そう感じた。
 エンドロールが流れ出しても、立ち上がる人はほとんどなく、エンドロールが終わった途端、自然に沸き起こった拍手。
これにはちょっとビックリしたなぁ。観客全員の魂に響いたんだと思う。
 拍手が終わりかけようとした瞬間、後ろの方からまた激しく拍手が起こった。見ると、河瀬監督と永瀬さんが舞台に向かって歩いている。
 舞台に上がった2人。急きょマイクが用意され、「こんなことはイレギュラーなのですが」と河瀬監督と永瀬さんが話し始めた。

「私たちは、今そこにいるだけで美しいということを感じていただければと思います」

 ああ、なるほど。今度は河瀬監督のこの言葉を思い浮かべながら、もう一度観てみたい……私はそう思った。






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[ 2015/04/07 22:42 ] 完成披露試写会 | TB(-) | CM(0)

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